珈琲について

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厚釜焙煎について

厚釜焙煎機

富士珈機製の10kg直火釜を使用しています。
昭和48年製です。 「バルバロッサ」あかひげ王さんと呼んでいます。

何故、こんな古い焙煎機を使っているかと申しますと、
昔ながらの焙煎機は、内釜が分厚い。
分厚い内釜の焙煎機で煎った珈琲は、
分厚い鉄板で焼いたお好み焼きの様に、
分厚い鉄板で焼いた国産牛の様に、
分厚いお釜で炊いたご飯の様に、
分厚い鉄板で転がしたたこ焼きの様に、
独特の旨味センサーを持つ日本人が満足し得る
数少ない珈琲ではないかと思っています。

今は、もう作る職人さんがいなくなり、こんな分厚い釜は作ってないそうです。
この釜でしか出せない味があります。とろりとした甘味が出ます。

私の父が珈琲屋を始めた頃、
珈琲は「悪魔の飲み物」と呼ばれていました。
それから50年。
大量生産、大量消費で、
すっかりファーストドリンクとなり、
本来の味わいを失ってしまった珈琲の
味わいの「わい」を取り戻したいと奔走する日々の中で、
この昔ながらの直火の釜は、多くの事を私に教えてくれました。

欧米の熱風式コーヒー全盛の時代に
少し時代遅れな感もある直火珈琲ですが、
昔ながらの厚釜は日本独特の珈琲を作り出します。
日本人独特の味覚が作り出して来たものは、
確かに伝承され残されてきました。
人の営みの中で生まれ、
人の手で作り上げられて来た珈琲は
更に手を加え、火を与える事で
より輝きを増してくれます。
多くの経験や人の手の温もりを抱えて味わう至極のもの。

多くの人が気に入る珈琲よりも
たった一人の人の心に深く刻まれる珈琲。
何処かで飲んだ事のある珈琲ではない。
誰かの珈琲でもない。
そこにしかないもの。
沢山の人の手と温もりが加えられた珈琲。
私は、そういう珈琲を旨いと思い、
そういう珈琲を作りたいと願い、
この昔ながらの厚釜で
今日も珈琲を煎っています。

そして、厚釜珈琲は
たった一人の人の為に
多くの人の人生と
多くの人の痛みと温もりを抱え
今日もスロードリンクであり続けてくれています。
厚釜焙煎機 厚釜焙煎機

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スペシャルティコーヒー専門店

百合珈琲店はスペシャルティコーヒー専門店です。
品評会受賞豆を含む、スペシャルティコーヒー
(80点以上の評価を得た生豆)を100%使用しています。

スペシャルティコーヒーについて ピラミッド

スペシャルティコーヒーとは
①トレーサビリティが明確:どこの誰がどのようにして作ったか?
②テロアールが優れている:火山灰土壌、高地、気候条件などが珈琲栽培に適している。
③ずば抜けたユニークなフレーバーがあること。

スペシャルティコーヒーと大量生産の普通の珈琲の大きな違いは、フレーバーにあります。
(アロマは、鼻から嗅ぐ香りですが、フレーバーは、口に含んだときに鼻から抜ける
香味のことを言います。チョコレートだったり、フルーツだったり、に例えられる香味です。)
十数年前、日本に初めて紹介されたスペシャルティコーヒーを飲んだ時、
感動で手が震えて涙がこぼれました。
こんな旨い珈琲があったのか・・と。
父の「昔の珈琲は旨かった」
の言葉の意味が分かりました。

それ以来、百合珈琲は、
スペシャルティコーヒー豆を
専門に扱うお店になりました。

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浸漬法のすすめ

浸漬法とはコーヒーの粉を漬け込んで漉すだけの
とても簡単なコーヒーの淹れ方です。
画像の中央 ▲ 三角をクリックして動画をご覧ください。

① お鍋に粉を10g(ネルの場合は、12g)入れます。
② 沸かしたてのお湯を180cc.入れます。
③ 4分間漬け込みます。
④ 茶漉しかネルで濾します。

たった、それだけ。
目安は、180ccのお湯に対して10gの粉の量です。
ネルの場合は、180ccのお湯に対して12gの粉の量です。

茶漉しでは粉っぽい感じが出ますので、それが苦手な方はネルで濾して下さい。
ネルですと、コーヒーオイルは0.数%しか出ませんがそれを感じとれる舌を日本人は、ちゃんと持っています。
灰汁をきれいに取った後の出汁の旨味の好きな日本人にはネルが向いていると思います。

下記の3つの事だけを覚えて置いてください。

① 酸味・旨味甘味・苦味えぐみの順に成分が出てきます。
② 湯温が高ければ高いほど全部の成分が速く出ます。
③ 粉が細かければ細かいほど全部の成分が早く出ます。

つまり、苦味やエグミが出てくる前のぎりぎりを狙うと旨い珈琲が淹れられるというワケです。
それが、正しく挽かれた粉であれば、4分間と言う事になります。
粉の細かさが揃っていないと、それぞれの味が出てくる速度がばらばらになります。
家庭用のミルでは、細かすぎる粉と粗すぎる粉が混ざり合っていますので、時間を短くするか、粗めの粉をタップリ使って時間を長くするなど、工夫して、苦味やエグミが出ないぎりぎりを探して下さい。

湯温、粉の細かさ、粉の量、漬け込む時間で、自由自在に安定的な味つくりが出来ます。

抽出後5分以内に沸かし直して熱々をどうぞ。

珈琲の抽出液は、5分以上経つと酸味の質が変化してスッパミに変わります。そうなると沸かし直しても駄目です。
酸味の少ない珈琲を選ぶと、時間が経っても味が変わりにくいです。

浸漬法は、美味しいだけじゃなく、エコにもなります。

漬け込んで4分間待って濾すといつも安定して美味しい珈琲が淹れられます。
4分間待って濾すと言う作業もとても愉しい時間になり、生活を豊かにしてくれます。
そして、その上で、地球の緑も豊かにしてくれる浸漬法。
昔の日本人の知恵が、現代になって科学的に立証されるとは、本当に日本人は素晴らしい!
何千万円もする機械と同じ性能を味覚として備えていたことになります。