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スペシャルティコーヒーについて


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品評会受賞豆を含む、スペシャルティコーヒー(80点以上の評価を得た生豆)を100%使用致します。

①トレーサビリティが明確:どこの誰がどのようにして作ったか?

②テロアールが優れている:火山灰土壌、高地、気候条件などが珈琲栽培に適している。

③ずば抜けたユニークなフレーバーがあること。

スペシャルティ珈琲と大量生産の普通の珈琲の大きな違いは、フレーバーにあります。

(アロマは、鼻から嗅ぐ香りですが、フレーバーは、口に含んだときに鼻から抜ける

香味のことを言います。チョコレートだったり、フルーツだったり、に例えられる香味です。)

十数年前、日本に初めて紹介されたスペシャルティコーヒーを飲んだ時、感動で手が震えて涙がこぼれました。

こんな旨い珈琲があったのか・・と。父の「昔の珈琲は旨かった」の言葉の意味が分かりました。

それ以来、百合珈琲は、スペシャルティコーヒー豆を専門に扱うお店になりました。



コーヒーは、昼夜の激しい寒暖差により、甘味が熟します。大量生産・機械化の為に低地の平地で栽培される豆が多くを占めるようになってきましたが、本来、コーヒーは機械が導入できないほどの山岳地帯の高地で栽培されなくてはなりません。また、完熟豆のみを手摘みし、天日で乾燥させることによってのみ、より熟成した甘味を保つことが出来ます。出来る限りの在来農法で栽培された高地産の豆のみを選んで使用しています。

原種豆について
古くから珈琲豆は、大量生産の為、品種改悪が進められ、現在では、栽培に手間のかからない豆(ロブスタ種)との交配種が大半を占めるようになりました。それらの豆の多くにはロブスタ臭と呼ばれる独特の臭みと雑味と言う濁り味があります。しかし、珈琲発祥の頃から、手間ひま掛けて守り続けられたアラビカ原種(ティピカ種・ブルボン種など)には、雑味など無く、ただ、フルーツの様なきれいな甘味と酸味、そして、豊かなフレーバーがあるだけなのです。
原種豆(ティピカ種、ブルボン種、カツゥーラ種が三大原種とされています。)、あるいは限りなく原種に近い状態のもの、あるいは概ね品種を特定できるものなどの中から、出来る限り、交配種臭さの無い純粋な味の豆を選んで使用しています。

ムンドノーボ種:原種ブルボンと原種の流れを汲んだスマトラ種の交配種。この品種の出現により、ブラジルは世界の珈琲大国となり、ブラジルと言えばムンドノーボの味が代表的な味になりますので、ブラジルにおいてはムンドノーボ種(この品種100%と特定できるもの)に関しては、原種にもっとも近い存在として、スペシャルティコーヒーに数え上げられています。しかしながら、スペシャルティコーヒーの評価基準が国際化して来た今日においては、やはりブラジルにおいてもブルボン種の評価点は非常に高いものになってきています。

品種について:

①アラビカ種:エチオピア原産(一般的に広く好まれる風味)

ティピカ(エチオピア~インドネシア~オランダ~フランス伝来)

ブルボン(ユニオン ティピカの突然変異種)

マラゴジッペ(ティピカの突然変異種)

ブルーマウンテン(ジャマイカ ティピカ)

ゲイシャ(エチオピア)

カトゥーラ(ブルボンの突然変異種)

ケント種(ティピカ系:インドのケント氏の農園で見つかった)

SL28:SL34 (ブルボン系)

ムンドノーボ(スマトラ=ティピカの突然変異種とブルボンの交配種)

カトゥアイ(ムンドノーボとカトゥーラの交配種

②カネフォラ種:ロブスタやコニロン(日本には入ってきていないブラジルのインスタント珈琲に使われている。)がこれに含まれる:中央アフリカ原産

アラビカとは異質の風味

③ハイブリット(アラビカとロブスタの交配種):ロブスタの根っこの強さとアラビカの実の優秀さを兼ね備えさせる為。

アラビカとロブスタは染色体の数が違うので結実しないが、極稀に出来る。

極稀にできたものを何十年(50年もの歳月が費やされたものもある)もかけて研究し、新種を作っていきます。

カチモール(ハイブリットチモールとカトゥーラの交配種)

コロンビア(ハイブリットチモールとカトゥーラの交配種)

イカトゥ(薬品処理したロブスタとブルボンの交配種×ムンドノーボ)

ハイルイレブン(カチモールとSL28の交配種)

S795(アラビカとリベリカの交配種S288とケントの交配種)




リーファーコンテナ輸送豆について


長い船旅で輸送される間に本来の旨味は半減し、日本での保存によって夏を過ぎる頃には旨味は又半減・・・と言うのが今までの日本の生豆事情の常識でした。リーファー(クーラー付き)コンテナによる定温輸送、日本での定温保存によって、豆本来の旨味がカップの中に表現され、いつまでもそのおいしさを保つ事が出来るようになりました。リーファーコンテナ輸送の豆のフレッシュさ芳醇さまろやかさは、夏を過ぎた時により違いが出て来ます。リーファーで運び込まれた生豆は、本当に新鮮で華やかさのある素敵なコーヒーに仕上がります。




ブラジル収穫2期目のカップオブエクセレンスに相当する品評会選出豆は、ブラジル レイトハーベスト
エチオピアのカップオブエクセレンスに相当する品評会選出豆は、E CAFE GOLD
パナマのカップオブエクセレンスに相当する品評会は、ベストオブパナマ


カップオブエクセレンスについて

カップ オブ エクセレンスとは、生豆の国際エキスパートのグループによって、
その国の特定の年の最高のコーヒーと選ばれた豆にのみ与えられる称号です。

カップ オブ エクセレンスは 何が特別なのでしょう?
素晴らしい品質のコーヒーは極稀にしかありません。称号を勝ち取るコーヒーは、栽培される地域の固有の特徴を備えていますが、全てが職人芸の手作りによりユニークな特性が高められるのです。更に完全に熟したチェリーだけを注意深く摘み取る事により、際立つ高品質のスペシャルティコーヒーだけがもつ、口に含んだ量感、心地よいアロマと活き活きとした甘さが引き立つようになります。


どのようにして選ばれるのでしょう?
生産国の国中からコーヒーの生産者は一年に一回開催される3段階のコンペンションにサンプルを出品します。コンペティションに参画するロットは、第一段階はスペシャルティコーヒーの最低品質基準に達しているかの確認のフルイにかけられます。フルイにかけられます。フルイにかけられたコーヒーは、国内審査員による「目隠しテスト」でトップグループを選び出し、そして最終的に3日間にわたるコンペティションを経て、国際審査員が「最高の中の最高のコーヒー」に対し「カップ オブ エクセレンス」の称号を授与します。

誰が審査員になるのでしょう?
カップ オブ エクセレンスの国際審査員は唯一によって選ばれるのです。多数の国々および当該開催国からのコーヒー味覚審査のエキスパートで構成されます。コンペティションのそれぞれの国際状況を勘案して、通常は広範囲にわたる経験豊な24人が選出されます。国際審査員は米国、欧州、日本、カナダ、オーストラリア、ブラジル、グアテマラ、ニカラグアから選抜されます。国際審査員の共通要素は卓越した品質審査技量と、素晴らしいコーヒーを愛し評価できる事です。

いくつのコーヒーがカップ オブ セレクションの商号を授与されるのでしょう?
格式の高い名誉ある称号を与えられるコーヒーのロット数は、参画・出品されたコーヒーの品質レベルで決まります。条件を満たす品質基準は非常に厳しいので、ほんの一握りのコーヒーが名誉を勝ち取るのです。

カップ オブ エクセレンス の称号を勝ち得たコーヒーはどのようにして販売されるのでしょう?
これらの称賛されるコーヒーは、コーヒー輸入会社やロースターに対し公開国際インターネットオークションを通じて販売されます。最高販売を提示した者が、コンペティションに出品された当該ロットの全量を買い取ります。

カップ オブ エクセレンスを勝ち取ったコーヒーを誰が買うのでしょう?
世界のトップクラスのコーヒーが持つ、複雑で奥行のある風味の特性を評価できる味覚を持つ世界中のコーヒー愛好家がこれらのコーヒーを買い求め風味を楽しみます。これらのカップオブエクセレンスコーヒーを買うロースターは、顧客に最高の品質のコーヒーを提供したいからなのです。カップオブエクセレンスを勝ち取った農園の全てのロットがカップオブエクセレンスのコーヒーと言うわけではありません。ある限られた少量のロットのみに与えられるものです。そのロットの麻袋には必ず、カップオブエクセレンスのロゴが入っています。

精製法について。

珈琲豆は、果実の種子の部分ですので、果肉や果皮を取り除く作業が必要です。

その工程を「精製」と呼び、現在、大きく分けて「4種類」の方法があります。

①フーリーウォッシュド(水洗式)

  水洗による脱穀(だっかく:穀類ではないのでだっかくと言う)後、更に「ぬめり」を水で洗い流す。

②ナチュラル(アンウォッシュド:非水洗)

  水を使わずに、自然乾燥により脱穀後、天日乾燥

  ブラジル、エチオピア、イエメンに多い。

  水を多く使うのはお金がかかるので・・と言う事情もあります。

③パルプドナチュラル(セミウォッシュド)

  水洗による脱穀後、ぬめりをとらず、乾燥。

  気候の関係上、ブラジルに多い精製法。

④スマトラ式

  果肉を取ってからすぐに乾かす。農家任せで、まちまち。

水洗式以外は、ぬめりを完全に取り除かないので、それが、独特の土臭さや発酵臭につながります。


シェードツリーについて

珈琲は、日照が多くても少なくてもだめ。

適度な日陰を作るため、シェードツリーが植えられます。

カップのクオリティにも効果が大きいとされています。

50%日照をカットすれば、100%日照を与えたものと比べ、実も大きく熟度が安定しています。

マメ科の食物をシェードツリーに使うと窒素を出すので肥料を減らせたり、バナナや芋は食料になり、防風にもなります。

余談ですが、珈琲と言う樹は、植物としては非常に「あほ」な樹と言われ、体力以上に葉をつけ、能力以上に実を付けてしまい、折れやすいので、防風も必要のようです。

*国によっては、シェードツリーを必要せず、使っていないところもあります。

例:コスタリカ・ブラジル(結果的に、実がたくさん生る=肥料がたくさん要ると言う事で、長い眼で見ればいかがなものか・・と言う事情もあるようです)



現在、高付加価値(プレミアム)コーヒー等の高品質豆グルメコーヒーがあり、その中にはスペシャルティコーヒー協会認定(基準は各国によってまちまちです。)の豆スペシャルティ(欧州ではスペシャリティ)コーヒーがあります。ちなみにSCAJ日本の協会によるスペシャルティーコーヒーの定義は、
1.消費者の手に持つカップの中の、コーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しい評価して満足するコーヒーであること。
2.風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの味覚で消えていくこと。
3.カップの中の、コーヒーの風味のが素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの種子からカップにいたるまですべての段階において、一貫した体制・工程で品質向上策、品質管理が徹底していることが必須であるとなります。日本は消費国なので、消費者が液体としての評価をした場合の定義と言う事になるようです。

生豆としてのグルメコーヒーの定義は、概ね以下の様なものです。
① 品種がアラビカ原種100%・又は、改良品種であっても品種が特定できるもの。
② 農園、極狭い範囲での産地が限定され、山岳地帯の高地・火山灰土壌など最適の環境にあるもの。
③ 在来農法。つまり、栽培・精製の段階に手抜きのないもの。その結果として、味に個性をもち、スタンダードな豆と一線を画す純粋でクリアな香味をもつもの。これらの条件をほぼ適えた豆を「グルメコーヒー」と呼んでいます。

では何故、これら特別な名前を持つコーヒーが現れたのかと言いますと・・昨今の生産性重視のコーヒー栽培の結果として、

①良質だが病害虫に弱く手間のかかるアラビカ原種に、病害虫に強い低質のロブスタ種がかけ合わされ生まれたハイブリット種の出現。
②本来コーヒーの甘味は昼夜の寒暖差の激しい山岳地帯の高地でなければ育まれるものではないが、 機械 化 の為に低地栽培が盛んになった。
③元来農産物であるコーヒーは、産地が大きくなればなるほどその出来栄えにばらつきが生じる。しかし、大量出荷の為には、出来栄えの異なる各地の豆を混載するしかない。
④結果として、甘味がなく、ロブスタ臭・(雑味)濁り味・酸っぱ味・焙煎の過程で生じる焦げ味などを持つ、およそ本来の美味しさとはかけ離れたコーヒーが生産されるようになリ、それら大量生産の豆と区別する為にグルメコーヒーなどの特別な呼び名が必要になってきました。



嗜好品の枠の中にあるコーヒーには、誰が飲んでも美味しいと感じる商品は存在しませんが、多くの人から支持される味の傾向は存在します。
基本的なコーヒーの良し悪しは、甘酸っぱい香りがあり、味に幅があるものほど良いものであり、にごり・渋み・酸味が強く出ているものや、臭み(ロブスタ臭を含む)を持つものを下級品と評価します。

味の評価基準

酸味・甘味・香りなどの各ファクターを官能検査(カップテスト)により強弱分類することから始まります。

生豆外見
COLOURBLUE-GREENGREENG-WHITEWHITE
DEFECTBLACK-BEANSFERMENTANDOBROKENUNRIPED
SCREENSC-18/19SC-18SC-17/18OTHER
TOTAL

焼豆外見

色つや
煎りムラなしあり多い
ハゼ

カップテスト

香り
甘味
酸味
なし

以上の最低限度のチェックに、もう一つ重要な項目を加味して、グルメコーヒーは探し出されていきます。
それは、香りや甘味の良し悪しだけでなく、それがどのようなものかと言うものです。
しかしこれは、産地によってファクターごとの品質が一定しない為に、どれが良いかという統一した答えは存在しないと言われています。

SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)の規格でスペシャルティコーヒーとは?

スペシャルティグレイド
プレミアムグレイド
コマーシャル
の3つに分類

①グリーン検査 350g中の欠点数の有無

カテゴリー1 完全黒豆、完全発酵豆、コッコ(乾豆)など
カテゴリー2 部分黒豆、部分発酵豆、欠け豆など

スペシャルティグレイド カテゴリー1が一つも含まれない。カテゴリー2は4点以下。
プレミアムグレイド カテゴリー1、2の合計が8点以内
他コマーシャル

②この後、焼き豆100g(焼き精度を一にする)

クエーカー(未成熟豆が焼けた時に白っぽくなったもの)の数

スペシャルティグレイド 一つも含まれない。
プレミアムグレイド 3個まで。
他コマーシャル

③焙煎後8時間~24時間以内にカッピング。

スペシャルティグレイド 84点以上
プレミアムグレイド 80点~84点
コマーシャル 80点未満

7.25gの粉・TDS150ppm~250ppmのボルビックなど150ccの湯(92~98度の沸き立て)
コーヒー液のTDS1250ppm
ローストレベルは数値として規定。

フレグランス・アロマ:豆の状態での香り、挽いた時の香り、お湯を入れた状態での香り。
柑橘系の爽やかな香りとチョコレートのような甘い香りを高評価

スウィートネス:1Lの水に5gの砂糖の甘味を基準にジャッジ。

フレーバー:鼻に抜ける香り。柑橘系の爽やかな酸味、チョコレートのような甘い香りは高評価。
インドネシアの土臭などは、オリジン特有の香りと評価。

酸味:柑橘系・フローラル系・ハーブ系の香りと共に感じるものを高評価。

こく:滑らかさ、濃厚さ、味の膨れ具合、甘残量。冷めた液に出てくる甘い香りを伴う
(口に入れた瞬間は水っぽく感じ、後からじわっと甘味を感じるもの)ほど高得点。

アフターテイスト:味のきれと広がり。長くコーヒー感(甘い部分のみ)が残るもの程高得点。

バランス:バランスの評価。



コーヒーの基礎知識

①アカネ科の常緑樹で、生育可能地域は、南北緯度25度までの熱帯・亜熱帯地方のコーヒーベルト(コーヒーゾ-ン)と呼ばれる地域です。

②生育条件は、平均気温18~24度で、気温の年較差の少ないところがよいが、1日の気温較差の激しいところほど良質な豆が出来ます。年間雨量は1600mmから2000mmあり、充分な日照があることが望ましいとされています。

③植え付けて3年目にジャスミンのような香りのする白い花を咲かせます。実は、2個一組になっているものをフラットビーンズ、1個だけのものをピーベリーと言います。

④精製

収穫した果実から外皮・果肉・内果皮・種皮などを除去し、商品価値を持つ生豆に仕上げる工程を精製と呼びます。この精製法は大別して水洗式と非水洗式(ナチュラル)があります。水洗式の豆は、スコールの多い気象条件の見返りとして豊富な水量を利用した処理法で、豆がきれいに仕上がります。非水洗の多くは、自然乾燥にする為、自然環境の影響を受けやすく、品質は不安定ですが、円熟した味のコーヒーとなります。

⑤芳香・香味
コーヒーの香りは焙煎の熱作用によって生じます。現在わかっている芳香物質は1974年西ドイツシンポジウムにより約500種類とされています。
1820年ドイツRUNGEがコーヒーよりアルコール、冷水物質(カフェイン)を発見しました。
カフェインの濃度は、焙煎によって豆の水分が減少すると一旦は高くなりますが、178度で昇華作用をおこす性質の為焙煎中に焙煎機の内壁や回転スクリューに晶出します。従って、焙煎温度が高ければ、カフェインは少なくなります。コーヒー液を室温まで冷ますと濁るのは、脂質がグリース状になる為で、長時間熱した時の濁りは、たん白質が加熱によって凝固沈殿する為です。
煎り豆に含まれるタンニン(3~5%)の渋みは、上質なものは後から甘味を感じます。これは、上質な緑茶と同じです。生豆に含まれる糖分が焙煎によりカラメル化し、コーヒーの甘味となります。焙煎によりたん白質の一部がアミノ酸となり旨味が形成されます。煎り豆の1.2~2%のエキス分がコーヒー液に抽出されます。

品種

コーヒーの品種には、2大品種アラビカ種とロブスタ種、アラビカ種の中でも、3大原種(ティピカ・ブルボン・カツーラ)を人工的に交配させたり、自然交配して現在の様々な品種を構成しています。

ティピカ(TIPICA) :ジャマイカブルーマウンテンを代表とする品種で、フランス人海兵隊仕官ド.クリュー(1687~1774)が移植したマルチニークの木を先祖とする品種であり、18世紀の前半に発見されたとされています。
ブルボン(BOURBON):中米ガテマラ、エルサルバドルなどに多く存在する品種で、インド洋上のブルボン島で発見された、ティピカの突然変異種(ブルボン島には、1715年フランス東インド会社がモカより移植)高温乾燥に向いていない為、栽培地は極限られてしまいます。
カツーラ(CUTURRA):ブラジル、コロンビアで多く栽培されている品種で、ブラジルで見つかったブルボン種の突然変異種。寒さに強く隔年の結実。

ブラジルにおける品種の数々

1、NATIONAL/COMMON(TIPICA):1727年ガイアナより。中粒から大粒(長方卵型)
2、RED BOURBON:1859年レユニオン島より。中粒(卵型より丸みを帯びている)
3、YELLOW BOURBON:黄色いチェリーのブルボン種。中粒
4、MARAGOGIPE:1870年発見のNATIONAL種の突然変異種。丸みを帯びた平型で特大。
5、SUMATRA:1896年スマトラより。中~大粒(長方卵型)
6、RED/YELLOW CATURRA: ブルボンの突然変異種。小粒(卵型)
7、MUNDO NOVO:ムンドノーボ市で発見されたブルボンとスマトラの自然交配種。中~大粒
8、RED/YELLOW ICATU:1992年品種改良・レッドブルボンとロブスタ交配種。卵型より丸みを帯びた中粒

交配種
3大品種は、イエメンのアラビカ種を起源とした純系種である為、本来のコーヒーの味を受け継いでおり、ロブスタ種と掛け合わせた交配種に比べると、香りこく甘味が多い。
さび病をはじめとする病害虫に強くする為の品種改良によって交配種がつくられ、コロンビアなどは7~8割が交配種と言われています。

香り酸味
原種豆甘い香り
香りの量も多い
甘酸っぱいなど甘味と共にある強い酸味ブルボンはこくに優れティピカは柔らか
交配種香りにロブスタ種の臭いが混入。香りの量も少ない濁った酸味で薄い味はフラットで薄い・雑味(濁り)芯から焦げた苦味

⑦栽培地と気候条件

機械化の為に低地の平地で栽培された大量生産の豆と高地産の豆の違い
標高高い酸味・甘味が強い低い酸味が弱く、味も薄い
地形山岳地帯甘味が多い平坦地味は薄くフラット
昼夜の寒暖差大きい植物としての防御反応により糖質が増える小さい甘味に欠ける
土壌肥沃こく、甘味が強い痩せ甘味に欠ける





コーヒーのGMO


そもそもGMOと品種改良とはどのように異なるのか?という点があります。

GMOの技術を応用するようになってから、生物の種類に関係なく品種改良の材料にすることが可能となりました。従来の交配による品種改良でも遺伝子の組換えは起きており、人工的に起こした遺伝子の突然変異を利用することも可能であります。この2つの異なる点は、人工的に遺伝子を組替えるために、種の壁を越えて他の生物に遺伝を導入することが出来、農作物の改良の範囲を大幅に拡大できるということと、改良の期間が短縮できるという事が異なります。つまり結果ではなく、行程が問題になっているという点が特筆すべき点です。コーヒーに関しましては、現在アメリカ合衆国ハワイ大学内において、コーヒーの遺伝子組み替え作物(内容は不明)を研究中という報告を受けておりますが、実際に商品化された作物の流通は確認されておりません。現在のコーヒー産地は、途上国がほとんどで、金銭的な余裕のない南半球の国々とアジアの一部になっております。こうした中で、国際的に安い価格のコーヒーに多額の研究費用をかけて商品化するというのは、‘費用対効果’の面からいって、割に合わないというのが原因ではないかと推測されます。そのために、一般的には、ロブスタ種とアラビカ種の交配(人口交配)か、アラビカ種同士での交配が行なわれる程度で、この方法によって害虫問題、収穫量などは大きく回避できていると各国で判断されております。GMOの分野で発達した大豆、とうもろこしなどは、単年度植物(種をまいてから1年で収穫できる植物)であり、非常に害虫などに弱い性質を持っております。そして、一人あたりの生産量も膨大な為に少しの品種改良が大きな富と得るため、技術面が発達した経緯がございます。逆にコーヒーの場合、木に実る植物で、コロンビアのような山岳地域であれば、同一面積当たりの必要人員は、大豆の1000倍(同じ面積を収穫するのであれば、1000倍の人数が必要になる)となっています。また、小農家の集まりのために、こうした生産性の問題を考える事が薄いと考えられます。こうした意味からも、コーヒーの遺伝子組み替えは、なかなか進まないのが現状ではないかと推測されます。(大農園を抱えるブラジルにおきましても、GMOの商品化は以前から話しがありました。現在GMOが進んでいない理由は、害虫問題、収穫量の問題対しては、交配によって解決できているというのがそもそもの考えからのようです。たとえ殺虫剤に強いコーヒーなどを作ったとしても、ブラジルの農民は、お金がかかるために出来るだけ殺虫剤を使いたくないという考えがあります。また、機械化が進んだ産地で、多収穫を目的にしたGMOができあがったとしても、機械の大きさの制約があるために現行の品種に優位性があるのではないか?と推測するからです。)

GMO表示の目的
現実に流通し、利用されている遺伝子組み換え農産物は、政府により安全性の確認が行なわれたものであり、表示の目的は、消費者が商品選択のための情報提供によるものである。
表示を行なう食品の範囲
表示を行なう食品の範囲は、一般消費者向けに販売される食飲料品であって、厚生省食品衛生調査会が「組み換えDNA技術応用評価指針」に沿って安全性評価が行なわれていることを確認した遺伝子組み換え農産物が存在する作目にかかわる農産物及び、これを原材料とする製品に限るとされている。

従来のものと組織、栄養素、用途などは同等である遺伝子組み換え作物が存在する作目にかかわる農作物および、これを  原料とした行程後も組替えられたDNAまたはこれによって生じたタンパク質が存在するもの該当商品が一般消費者向けであること
遺伝子組み換え作物が存在する作目に係る農作物を主原料とする食品であること
上記3点を含んでいる商品に表記義務が発生いたします。

厚生省の見解
GMOに関しては、厚生省から指定食品が制定されており、この指定食品以外の商品の遺伝子組み換え表示に関しては、不要となっています。こうしたことからコーヒーは、不要になりますが、記述をあえて出来るのか?という問題に関しましては、現在世界的に流通しているコーヒーにGMOが存在しないという観点から、「この商品は遺伝子組み換え作物は使用しておりません」と言った表示を行ないますと、他の商品(表示されていないもの)よりも優位であると消費者が受け止める結果を招きます。こうした行為は、公正取引上‘優良誤認’(良いように勘違いされるという意味)とされ、禁止されております。(同様の例は、お米、小麦などがあります。これに関しましても同様に遺伝子組み換え作物を使用していない旨の表示を禁止されています。)

指定食品
高オレイン酸大豆及び、同大豆油及びその製品 豆腐 豆腐加工品 大豆 枝豆 大豆もやし 納豆 味噌 煮豆 きな粉 コーンスナック コーンスターチ ポップコーン 冷凍、缶詰とうもろこし ジャガイモ 醤油 水あめ コーンフレーク マッシュポテト
など  (一部除外品もある)

指定食品は、遺伝子組み換え作物の安全性を確認した上で、商品化しなくてはならない。この安全性の審査は、食品衛生調査会の意見を聞いて該当検査を経たことを公表するとされている。この安全性を確認する以前に商品化した場合には、商品回収命令などマーケットでの流通を規制されることとなる。

アレルゲンに関して
食品衛生法に定められるアレルゲンにコーヒーが入っていないためにこの規制を受けないとされています。アレルゲンは、もともとタンパク質に含まれる物質のために、コーヒーのタンパク質がアレルゲン因子となる可能性はあるのですが、現在までにこうした結果(コーヒーを飲んでアレルギーを起こしたという報告)を報告されていないために、指定食品には入っておりません。(コーヒーの液に関しては、現在こうした報告はありません。ただし、コーヒーの葉にはアレルゲンの報告がアメリカであったようです。)   
  



全てのコーヒーの母なるモカコーヒーについて


珈琲発祥の地エチオピアとお隣の国イエメンで採れる珈琲を「モカ港」より輸出された事から、それらを総じてモカコーヒーと呼ぶようになりました。

一般的にモカと呼ばれるコーヒーには、大きくけて、3種類あります。

イエメンで採れるモカ、マタリ(非水洗のみ)
エチオピアで採れるモカの非水洗式
同じくエチオピアのモカの水洗式 の3種。

コーヒー豆は、種子の部分ですので、果肉を取り除く精製と言う作業が必要になります。その段階で水を使わずに自然乾燥で行うのが非水洗と言う方法です。非水洗は、気候などの環境によって豆の出来具合が左右されやすく、精製の段階で発酵してしまうなど、品質的に劣る場合もございますが、非水洗のモカには非水洗のモカでしか味わえない野性的な風味があります。モカにはモカ臭と呼ばれる独特の香りやワインフレーバーと呼ばれる独特の酸味があり、精製法や産地によって、また違った香味が楽しめます。

元来、自然の力に頼る精製法の為、品質的に劣るものが多かったナチュラルモカですが、品質の良し悪しだけでは語れない独特の風味(精製の段階でおきる発酵臭や独特の甘味、酸味に魅力がありました。しかし、現在では、質の低下により、魅力が失われつつあります。モカは小規模農場で作られる事がほとんどで、それらの寄せ集めで輸出される事が品質の安定の妨げになっています。品質の安定には、より狭い範囲での産地の限定が必要です。


残留農薬について

農薬のリスクは珈琲にはないと考えて良いと思います。

0.01PPM以下(微量過ぎて原因は特定できません。)

実際には焙煎により、それすらも、ほぼ消失しています。

もしも、仮に、基準値を大きく上回る10倍の量が検出されたとしても、
農薬の基準値と実害はまったく別物でありますので、
許容量のほんの数%にも満たないとされています。
スペシャルティコーヒーと呼ばれる珈琲のほとんどは、
有機農法であったり、
農薬をほとんど使っていないものなのですが、
有機認証を取っている場合が少ない為に、
有機と謳えるものは少ないのが現状です。
有機認証を取る為には
お金がかかります。
有機と名乗るだけで、
非常に高価な豆になってしまいます。
有機豆を買い付けても、
今度は売る側も有機認証を得なければ、
有機と謳って売ることは出来ません。
売る側も専用焙煎機などを用意し、
多大な費用を掛けなければなりません。
有機と謳っていなくても、
珈琲は安全な飲み物であり、
例え有機栽培のものであっても、
あえて有機認証を取っていないものもあると言うことを
ご理解ください。
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